チャールズ・M・シュルツによる不朽の名作『ピーナッツ(Peanuts)』には、チャーリー・ブラウンやスヌーピー以外にも、物語に深い味わいを与える魅力的なサブキャラクターが数多く存在します。
その中の一人が、クリスマスの時期に鮮烈なデビューを果たしたハロルド・エンジェル(Harold Angel)です。
「ねえ、知ってる?スヌーピーの世界には、空想だと思われていたのに本当に実在しちゃった男の子がいるんだよ!」
そんな風に誰かに話したくなるような、ちょっと不思議で心温まるエピソードを持つのが、今回ご紹介するハロルド・エンジェルです。
彼は、サリー・ブラウンの強烈な勘違いから生まれた、まさに「クリスマスの奇跡」を体現するキャラクター。

本記事では、ピーナッツの隠れた名キャラクター「ハロルド・エンジェル」に迫ります。
クリスマスの時期に鮮烈なデビューを果たしたハロルド・エンジェルについて、名前の由来から、初登場時の伝説のエピソード、さらには近年のアニメーション作品や最新ゲームでの活躍まで、その魅力を網羅的に解説していきましょう!
サリー勘違いから生まれた?ハロルド・エンジェルの名前の由来と初登場
ハロルド・エンジェルという名前、初めて聞いた時は「なんて神聖そうな名前なんだろう」って思いませんでしたか?でも実はこれ、シュルツ氏らしい遊び心がたっぷり詰まったジョークなんです。
讃美歌の聞き間違いから生まれた少年「ハロルド・エンジェル」
彼の名前の由来は、有名なクリスマス・キャロル「天には栄え(Hark! The Herald Angels Sing)」。
この曲の冒頭の歌詞「Herald Angels(御使いたち、伝令の天使たち)」を、サリー・ブラウンが「Harold Angel(ハロルド・エンジェルという名前の男の子)」だと完全に思い込んでしまったのが全ての始まり。
すぬ話の途中まで、ハロルド・エンジェルはサリーの勘違いだと思われていきます。
ピーナッツのコミック初登場のカウントダウン「ハロルド・エンジェル」とは
私たちは、このキャラクターの初登場シーンに注目しました。彼が実際に姿を現したのは、1983年12月24日のイブの日。でも、物語の伏線はその1週間以上前から張られていたんですよ。
12月16日 サリーが「ハロルド・エンジェルが歌い始めるのよ」と名前を口にする。


サリー「これが私がクリスマス会でやらなきゃいけないことなの。」
サリー「羊たちのダンスが終わったら、私が出ていってハーク!(聞け!)って言うの。」
サリー「そしたら、ハロルド・エンジェルが歌い始めるわ。」
チャーリー・ブラウン「ハロルド・エンジェル?」
サリー「ほら、台本にちゃんと書いてあるわよ…」



※解説:賛美歌の歌詞「Hark! The Herald Angels Sing(聞け、天使たちの歌を)」の “Herald(使者)” を、サリーは人の名前の “Harold(ハロルド)” だと思い込んでいるという描写ですね。


サリー「ハーク!今のどうだった?クリスマス会のセリフの練習中なの。」 サリー「ステージに出てセリフを忘れちゃうんじゃないかって、死ぬほど怖いの…」 チャーリー・ブラウン「まあ、もし忘れても、何か適当に作っちゃえばいいじゃない。」 サリー「それもそうね…ヘイ!なんてどう?」 チャーリー・ブラウン「あんまり聖書っぽくないな…」


サリー「クリスマス会の準備万端よ…私、天使に見える?」
チャーリー・ブラウン「似合ってるよ…そのまま講堂まで歩いていくのかい?」
チャーリー・ブラウン「羽の上からコート着られる?」
サリー「問題ないわ。」
12月21日 チャーリー・ブラウンがライナスに「妹はハロルドが歌うと言い張ってるんだ」と呆れ顔で話す。


ライナス「今のところ、いいクリスマス会だね、チャーリー・ブラウン。」
ライナス「君の妹はいつ出てくるの?」
チャーリー・ブラウン「踊る羊たちのすぐ後だよ…彼女が歩み出て「ハーク!」って言うんだ。そしたらハロルド・エンジェルが歌う。」
ライナス「ハロルド・エンジェル?」
チャーリー・ブラウン「妹がそう言ってただけだよ…」
「どうせサリーのいつもの勘違いでしょ?」と読者の誰もが思っていたはず。それがまさか、本当に出てくるなんて誰が予想できたでしょうか?
伝説の「ホッケースティック」エピソード「ハロルド・エンジェル」登場まで
さて、ここからがハロルド・エンジェルを語る上で絶対に外せない、ファンの間でも語り草となっている「ホッケースティック事件」です。
ハロルド・エンジェル登場前の緊張が生んだ迷セリフ「ホッケースティック」


ライナス「羊の出番が終わったよ、チャーリー・ブラウン…君の妹の登場だ…」
サリー「ホッケースティック!」
ライナス & チャーリー・ブラウン「ホッケースティック」?!
クリスマス劇に出演することになったサリー。彼女に与えられたセリフは、たった一言「Hark!(聞け!)」でした。簡単そうに見えますが、目立ちたがりのサリーは、「私のセリフの後に、ハロルド・エンジェルっていう子が歌うのよ」と周囲に吹聴します。
兄のチャーリー・ブラウンや知性派のライナスは必死に説得します。「サリー、それは『Herald(伝令)』のことだよ。人の名前じゃないんだよ」って。でも、頑固なサリーは「台本に書いてあるわ!」と一歩も引きません。
そして迎えた本番当日。スポットライトを浴びたサリーは、緊張のあまり頭が真っ白に!「Hark!」と言うべきところを、あろうことか**「Hockey stick!(ホッケースティック!)」**と叫んでしまったのです。
「ハロルド・エンジェル」がついに登場!現実になった空想 サリーは正しい


サリー「私ホッケースティック!って言っちゃった!なんでホッケースティックなんて言ったのかしら?ハーク!って言えばよかっただけなのに!」
サリー「クリスマス会を台無しにしちゃった!みんなに嫌われちゃう!モーセもルカも私のこと嫌いになるわ…」
サリー「…使徒たちにも嫌われる…」
サリー「50人全員に!!」
劇を台無しにしたと落ち込み、50人の使徒(本当は12人ですが、そこもサリーらしい間違いですね!)全員に嫌われると嘆くサリー。そんな彼女のもとに、コンコンとドアを叩く音が。


チャーリー・ブラウン「わからないよ…劇の続きは見なかったんだ。サリーが「ホッケースティック」って言ってみんなが笑い出した途端、帰ってきちゃったから。」
チャーリー・ブラウン「サリー、全部めちゃくちゃにするんだ…ハロルド・エンジェルっていう名前の人が歌うんだとさえ思ってたし!」
チャーリー・ブラウン「ちょっと失礼、誰か玄関に来たみたいだ…」
ハロルド・エンジェル「やあ、サリーはいる?僕の名前はハロルド・エンジェルっていうんだけど…」
そこに立っていたのは、なんと実在したハロルド・エンジェルという名の少年でした!
「やあ、サリーはいる?僕の名前はハロルド・エンジェルっていうんだけど……」
この瞬間、シュルツ氏は「聞き間違いだと思っていたことが現実になる」という、魔法のようなユーモアを読者にプレゼントしてくれたのです。
アニメーション作品における進化「ハロルド・エンジェル」
ハロルド・エンジェルは、新聞連載のコミックの中だけに留まりませんでした。彼は映像の世界でも、その存在感をじわじわと強めていったんです。
ピーナッツのアニメ 1992年『It’s Christmastime Again, Charlie Brown』


この作品では、先述のクリスマス劇のエピソードが見事にアニメ化されました。サリーが「ホッケースティック!」と叫ぶシーンや、最後にハロルドが登場するシーンは、カラーで動くことでより一層のコミカルさと温かさが加わりました。
近年のApple TV+作品での飛躍 「ハロルド・エンジェル」の出演・登場


最近のピーナッツ作品、特にApple TV+で配信されている『スヌーピー・プレゼンツ』シリーズをチェックしましたか?
- 『小さなことだけど』や『ルーシーの学校』
- 背景にこっそりカメオ出演。
- 『ひとりぼっちのマーシー』『おかえり、フランクリン』
- ついにセリフのある役として登場!
ジャクソン・リードが声を担当したことで、彼のキャラクター性はより明確になりました。今や彼は単なる「一発ネタ」の枠を超え、ピーナッツ・ギャングの恒久的なメンバーとして、ファンに愛される地位を確立していると言っても過言じゃありませんね。
登場のタイムラインとメディア展開 「ハロルド・エンジェル」


ここで一度、ハロルド・エンジェルがどのように歴史を歩んできたか整理してみましょう。
| 年代 | 出来事・メディア | 内容 |
| 1983年12月 | コミック初登場 | サリーの聞き間違いから、クリスマスイブに実在の少年として登場。 |
| 1984年5月 | 日曜版コミック | サリーを映画に誘い、ライナスの嫉妬(?)を誘う。 |
| 1992年 | TVアニメ特番 | 『It’s Christmastime Again, Charlie Brown』で映像デビュー。 |
| 2019年 | モバイルゲーム | 『Snoopy’s Town Tale』にプレイアブル(住人)として実装。 |
| 2023年〜 | Apple TV+ 新作 | セリフ付きの主要なサブキャラクターとして活躍。 |
このように、ピーナッツの隠れた名キャラクター「ハロルド・エンジェル」を振り返ると、40年以上の歳月をかけて愛され続けてきたことがよくわかります。
モバイルゲーム『スヌーピー ライフ(Snoopy’s Town Tale)』での活躍「ハロルド・エンジェル」


現代のファンにとって、ハロルドをより身近な存在にしたのが、モバイルゲーム『スヌーピー ライフ(Snoopy’s Town Tale)』への登場でしょう。
2019年のバレンタインデー、彼は特別なギフトのようにゲームに実装されました。
「えっ、あのハロルドが街に住んでくれるの?」と驚いたプレイヤーも多かったはず。
このゲームでの彼は、レベル25に到達することであなたの街の永続的な住人になってくれたようです。



今はSnoopy’s Town Taleはやっていません。可愛いスヌーピーのゲームだっただけに悲しい。復活してほしいゲームですね。
ハロルド・エンジェルというキャラクターの魅力
なぜ、私たちはこんなにも彼に惹かれるのでしょうか?その理由は、シュルツ氏が彼に込めた「意外性」と「優しさ」にある気がします。
「ハロルド・エンジェル」誰も否定できない「実在」の人物




普通、子供の聞き間違いは「勘違いだったね、チャンチャン」で終わります。
でも、シュルツ氏はそこから一歩踏み込んで、本当にその名前の人物を登場させました。
これこそがピーナッツの醍醐味!現実の世界でも、たまにそういう不思議な一致ってありますよね?
2. サリーの新しい一面を引き出す存在


サリー「どなた?今行くわ!」
ハロルド「やあ、サリー…僕のこと覚えてる?ハロルド・エンジェルだよ。」
サリー: 私のマイスイートバブー(ライナス)が、あなたと話すのを許してくれるか分からないわ。」
ライナス「誰と話そうが勝手だけど、僕は君のマイスイートバブーじゃない!」
ハロルド「ちょうど通りかかったから、一緒に映画でもどうかなと思って…」
サリー「私のマイスイートバブーが、他の誰かと映画に行くのを許してくれるかしら。」
ライナス「許すも何も、君がシベリアに行こうが知ったこっちゃない!」
ハロルド「じゃあ、帰る前に、お水を一杯もらえるかな?」
サリー「私のマイスイートバブーが、あなたに水をあげるのをどう思うかしら。」
ライナス「僕は君のマイスイートバブーじゃない!水だろうがピザ12枚だろうが、勝手にあげればいいだろ!!」
サリー「嫉妬深いボーイフレンドがいると、人生って本当に大変だわ…」
サリーといえば、ライナスへの一途(で少し強引)な愛や、学校への不満がトレードマーク。でも、ハロルドが登場することで、彼女の「モテる女の子」としての側面や、社交的な一面が描かれるようになりました。
初登場から5ヶ月後の1984年5月20日の日曜版では、なんとハロルドがサリーを映画に誘っています。
サリー: 「私の『マイスイートバブー(ライナス)』が、あなたに水をあげるのをどう思うかしら。」
ライナス: 「水だろうがピザ12枚だろうが、勝手にあげればいいだろ!!」
こんな風に、ライナスを巻き込んだコミカルな三角関係(?)を演出できるのも、ハロルドという礼儀正しくて優しい男の子がいてこそなのです。
FAQ:ハロルド・エンジェルに関するよくある質問
結論
いかがでしたでしょうか。ピーナッツの隠れた名キャラクター「ハロルド・エンジェル」について、たっぷりとお届けしました。
チャールズ・M・シュルツによる不朽の名作『ピーナッツ(Peanuts)』には、チャーリー・ブラウンやスヌーピー以外にも、物語に深い味わいを与える魅力的なサブキャラクターが数多く存在します。その中の一人が、クリスマスの時期に鮮烈なデビューを果たしたハロルド・エンジェル。
彼は、私たちが日常で犯してしまう「ささいな間違い」を、素敵な「出会い」へと変えてくれる象徴のような存在です。サリーが「ハーク!」を「ホッケースティック!」と間違えても、そのおかげでハロルドという優しい友だちに出会えたように。
次にあなたがクリスマス・キャロル「天には栄え」を耳にするとき、きっとふと思い出すはずです。「あ、今、ハロルド・エンジェルがどこかで歌っているかも?」ってね。そんな想像をさせてくれることこそが、ピーナッツという作品が長く愛され続ける理由なのかもしれません。
あなたも、サリーのように自分の「ハロルド・エンジェル」を、日常の中で探してみてはいかがでしょうか?
もっと詳しくピーナッツのキャラクター相関図について知りたいですか?それとも、サリーとライナスの爆笑エピソードを他にも見てみたいですか?ご希望があれば、いつでも教えてくださいね!
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