1950 年に登場したキャラクター「パティ」とは?
ペパーミント パティよりも前に登場した最初の女の子なんです。
『ピーナッツ』と聞いて、あなたの頭に浮かぶのは誰ですか?
もちろん、チャーリー・ブラウンや世界一有名なビーグル犬のスヌーピー。
おせっかい焼きのルーシーに、安心毛布が手放せないライナス…。
でも、彼らが登場するずっと前から、この物語の「最初の女の子」がいたことをご存知でしょうか?
彼女の名前は「パティ」。
そう、あのボーイッシュなペパーミント パティとは違う、もう一人のパティです。
彼女は記念すべき連載初日からチャーリー・ブラウンの隣にいた、正真正銘のオリジナルメンバー。
それなのに、いつしか物語の表舞台から静かに姿を消してしまいました。
「え、そんな子いたっけ?」と思ったそこのあなた!
実は、彼女こそが後のパワフルな『ピーナッツ』ガールズの原型であり、作品の歴史を語る上で絶対に欠かせないキーパーソンなのです。

この記事では、忘れられた初代ヒロイン、パティの誕生の秘密から、彼女が我々の前から去っていった切ない理由まで、そのすべてを愛情たっぷりに掘り下げていきたいと思います。
さあ、時を遡る旅に出かけましょう!
女の子の「パティ」って誰?実は『ピーナッツ』最古参メンバーの横顔
パティを単なる「昔のキャラ」で片付けてしまうのは、あまりにもったいない!
彼女は『ピーナッツ』という作品のそのものを形作った、とてつもなく重要な存在だったんです。
ピーナッツの女の子「パティ」まさかの連載初日メンバーだった!?

シャーミー「おや!「いい奴」チャーリー・ブラウンのお出ましだ!」
シャーミー「最高のいい奴、チャーリー・ブラウン……全くだ!」
シャーミー「最高のいい奴、チャーリー・ブラウン……」
シャーミー「あいつ、本当に大嫌い!」

この「Good ol’ (Good old)」という表現は、親しみを込めて「おなじみの」や「いい奴」という意味で使われますが、最後のコマでその言葉が皮肉だったことがわかる、シュルツさんらしいシニカルなユーモアが効いた導入部となっています。
驚くべきことに、パティは1950年10月2日、つまり『ピーナッツ』がこの世に生まれたその日に、チャーリー・ブラウンとシャーミーと一緒に登場しました。
スヌーピーですら、初登場は2日後の10月4日。




ルーシーやライナスなんて、まだまだ影も形もありません。
この事実だけでも、作者チャールズ・M・シュルツ氏の頭の中に、最初から「男の子と女の子」がいる世界観があったことがわかります。
彼女は、作品における最初の「紅一点」として、物語に彩りを与えるという重大な役割を担っていたのです。


ピーナッツの最初の女の子「パティ」名前の由来は作者シュルツの「いとこ」


シャーミー「パティはいる?」
パティ「いいえ……私はアグネス叔母さんよ」
シャーミー「ああ、そう。じゃあ隣のブロックにいる可愛い女の子のところへ遊びに行こうっと!」
パティ「待って!私、うちにいるわ!!」
パティ「あんなにヤキモチ焼きじゃなきゃ、騙されてあげたんだけどね!」
キャラクターに身近な人の名前をつけるのは、シュルツ氏の得意技。
パティという可愛らしい名前も、彼のいとこであったパトリシア・スワンソン氏から取られました。
これは単なる噂話ではなく、長年の時を経て、2015年公開の映画『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』で彼女のフルネームが「パティ・スワンソン」と公式に設定されたことで証明されました。
ファンにとっては、長年の謎が解けたような、胸が熱くなる瞬間でしたね!



2015年公開の映画『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』で彼女のフルネームが「パティ・スワンソン」と公式に設定
ピーナッツの最初の女の子「パティ」お砂糖とスパイスだけじゃなかった!衝撃の二面性


パティ「女の子は、お砂糖とスパイスと……」
パティ「……それから素敵な何もかもでできている……」
(効果音:ボカッ!)
パティ「女の子は、そんなものでできているのよ!」
パティの性格を語る上で、絶対に外せないのが1950年10月3日のコミック。これはもう伝説です。
彼女は「女の子は お砂糖とスパイスと素敵な何かでできている♪」とご機嫌に歌いながら歩いています。
なんて可愛らしいんでしょう!…と思った次の瞬間、いきなりチャーリー・ブラウンをボカッ!と殴りつけ、何事もなかったかのようにまた同じ歌を口ずさむんです。怖っ!
このエピソードが示すように、初期のパティは、年下の面倒を見る優しいお姉さん的な側面と、後のルーシーを彷彿とさせるような攻撃的で意地悪な側面を併せ持つ、非常に複雑なキャラクターでした。
彼女は決して「いい子ちゃん」の型にはまらない、人間味あふれる多面的な少女だったのです。
これこそが、後に続く『ピーナッツ』の女性キャラクターたちの強烈な個性の原点と言えるでしょう。



このセリフは、マザーグースの童謡『男の子って何でできてる?(What Are Little Boys Made Of?)』に基づいています。本来は「女の子は優しくて可愛いもの」という文脈で使われる詩ですが、チャーリー・ブラウンにパンチを食らわせることで、「女の子はそんなに甘くないぞ」というブラックユーモアになっています。
ピーナッツの最初の女の子「パティ」見た目の変化 時代を映すスタイル


パティのアイデンティティといえば、その特徴的なファッション。
彼女のスタイルは、半世紀以上にわたる『ピーナッツ』の歴史の中で、少しずつ変化を遂げてきました。
ピーナッツの最初の女の子「パティ」チェック柄ワンピとリボンが鉄板!


チャーリー「石蹴り遊び(ケンケンパ)?」
パティ「足の指をぶつけたのよ!」
パティのトレードマークは、何と言ってもチェック柄(格子柄)のワンピースと、お揃いのリボン。
これは1950年代のアメリカの女の子の典型的なスタイルで、古き良き時代のノスタルジーを感じさせます。
足元はメリージェーンと呼ばれるストラップシューズがお決まり。
このクラシックで愛らしいスタイルは、彼女の基本的なイメージとして、ほとんどの期間で一貫していました。
ピーナッツの最初の女の子「パティ」アニメでカラフルに!髪と服の色の秘密






白黒のコミックの世界を飛び出し、アニメになったことでパティは鮮やかな色を手に入れました。
でも、その色は作品によって微妙に違うんです。
- テレビ初期(1960年代〜)
- 『スヌーピーのメリークリスマス』(1965年)を筆頭に、初期のテレビスペシャルでは、彼女のワンピースとリボンは温かみのあるオレンジ色で描かれることが多かったです。
- 髪の色はブロンドだったり赤毛だったりと安定しませんでしたが、次第にブルネット(茶髪)のイメージが定着していきました。
- 映画版(2015年)
- 『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』では、なんとライトグリーン(薄緑色)のワンピースで登場! 髪色もブロンドに変わり、イメージがガラッと変わりました。
- これには、おそらくもう一人の有名キャラクター、ペパーミント パティ(彼女は緑のTシャツがトレードマーク)との見た目の混同を避ける、という制作側の賢い判断があったのかもしれませんね。
ピーナッツの最初の女の子「パティ」の複雑な人間模様 仲間たちとの交流
パティのキャラクターを深く知るには、彼女を取り巻く友人関係を見るのが一番!
彼女は優しい友達であり、同時に意地悪ないじめっ子でもありました。
パティの親友「ヴァイオレット」との女子同盟「共犯者」としての絆


(おもちゃの犬を引いて歩くバイオレット)
パティ「いいわね、私もあんなのが欲しいわ……」
パティ「あっ!」
(スヌーピーにひもをつけて、おもちゃのように引いて歩くパティ)


パティ「私、おばあちゃんになりたいわ」
バイオレット「私も!!毎日ただ座って、ロッキングチェアを揺らしてればいいんだもん!」
パティ「困ったことに、まず妻にならなきゃいけないし、それから母親にもならなきゃいけないのよね……」
バイオレット「わかってる……その『下準備』が面倒なのよね!」
パティの一番の親友は、お嬢様気質のヴァイオレット・グレイ。1951年2月7日にヴァイオレットは初登場となります。
この二人はいつも一緒に行動し、その関係は「パートナー・イン・クライム(共犯者)」と呼ぶのがぴったり。
ちょっとしたエリート意識を共有する彼女たちは、特にチャーリー・ブラウンを格好のターゲットにしていました。
彼を仲間外れにしたり、パーティーに招待しなかったり、彼が一生懸命作った砂のお城を笑いながら破壊したり…。
二人の小悪魔的な振る舞いは、初期『ピーナッツ』の定番ギャグであり、物語にピリッとしたスパイスを加えていました。






実はヒロイン候補だった?パティのチャーリー・ブラウンへの愛憎


パティ「私、あなたよりチャーリー・ブラウンのことが好きなんだから!」
バイオレット「ふん、そう?私はあなたの2倍、彼のことが好きよ!!」
チャーリー「へぇ!」
パティ「いいわ、じゃあ私はあなたの3倍、彼のことが好きよ!!!」
チャーリー「わお!」
チャーリー「いやぁ!実に素晴らしい議論だね!」
パティのチャーリー・ブラウンに対する感情は、本当に一言では言い表せません。
「いじめっ子」のイメージが強いですが、連載が始まったばかりの頃は、彼に好意を寄せているような素振りも見せていたんです。
彼に「結婚しない?」なんて迫ったり、愛情を確かめようとしたりするシーンも!
しかし、物語が進むにつれてそうした甘い雰囲気は消え去り、彼をちょっと見下したような、スノッブな態度が目立つようになっていきました。ツンデレ…というには、ちょっとデレが少なすぎたかも?


チャーリー「どうしたの、パティ?」
パティ「あなたたち男の子は私のことを愛してないのね……私のことで喧嘩ひとつしてくれないんだから!」
チャーリー「(取っ組み合いながら)これでどうだい?」
「なんて戦いだ!」「激しいな!」
パティ「素敵だったわ……おかげですっかり気分が良くなったわ!」



ちなみに「パティ」はチャリーブラウンのヒロインというよりも「シャーミー」と恋愛エピソードを築いていました。
パティとシャーミーの、つかめない距離感


シャーミー「一つください!」
パティとシャーミーの仲は、まるでお天気のようにつき合ったり離れたり。パティが彼に甘えるような仕草を見せたかと思えば、次の瞬間にはそっけなくなったりと、シャーミーはいつも振り回されていました。
たとえば、こんなやり取りがありました。
1950年10月9日のこと


(パティ セリフ)
シャーミーが大人になって、お金持ちで有名になって、私がただの貧しい小さな女の子でも、まだ私を愛してくれる?
(シャーミー セリフ)
もちろん、愛すよ...
(シャーミー セリフ)
...それで、もしシャーミーが金持ちで有名になって、僕に何もなかったら、それでも私を愛してくれる?
(パティ セリフ)
それは話が別だよ!
パティが「私がもし貧乏な女の子になっても愛してくれる?」と聞くと、シャーミーは「もちろん」と優しく答えます。ところが、シャーミーが同じことを聞き返すと、パティは**「それは話が別よ!」**と一蹴。なんとも理不尽で可愛いわがままです。
恋の駆け引き(?)


パティ「あなたはチャーリー・ブラウンより強い?」
シャーミー「もちろん」
パティ「あなたはチャーリー・ブラウンより年上?」
シャーミー「当たり前さ」
パティ「あなたはチャーリー・ブラウンより賢い?」
シャーミー「そうだといいんだけどね」
パティ「じゃあ、どうして私はあなたよりもチャーリー・ブラウンのことが好きなのかしら?」
ある時は、チャーリー・ブラウンとシャーミーが「自分のためにケンカしてくれたらいいのに」なんて夢見ることもあれば、またある時は「チャーリー・ブラウンよりあなたのほうが好きよ」と、シャーミーにだけはっきり冷たく当たったり……。
そんな二人も、物語が進み出番が少なくなっていくにつれて、一緒に並んでいる姿はほとんど見られなくなっていきました。
ピーナッツの最初の女の子「パティ」の意外な交友録?


パティ「チャーリー・ブラウン、もうシュローダーには会った?」
チャーリー「シュローダー?!誰だい?」
パティ「隣に住んでるの……おいで、紹介してあげる」
パティ「ほら、この子よ!何か言ってあげて」
チャーリー「なんて言えばいいのか分からないよ……」
チャーリー「子供のそばにいると、いつもすごく気まずいんだ!」
- ルーシー・ヴァン・ペルト
- 泣く子も黙るルーシーが登場してからは、パティ&ヴァイオレットのいじめっ子コンビに加わることがありました。とはいえ、パティとルーシーが個人的に深く関わるシーンは意外と少ないです。女王様は二人もいらない、ということでしょうか。
- シュローダー
- なんと、あの天才ピアニスト、シュローダーをチャーリー・ブラウンに紹介したのはパティなんです! 「隣の家に住んでるの」と説明しており、彼女が初期のコミュニティの中心にいたことがうかがえる貴重なエピソードです。
- シャーミー
- 連載初期からのメンバーであるシャーミーとは、子供らしいロマンスの雰囲気が漂っていました。お互いの気持ちを探り合うような会話をしたり、パティが「シャーミーよりチャーリー・ブラウンの方が好きよ!」と言ってシャーミーをヤキモキさせたり。微笑ましいですね。
ピーナッツの「パティ」はなぜ消えたのか? フェードアウトの真相
1950年代には間違いなくメインキャラクターだったパティ。
しかし、60年代半ばから徐々に出番が減り、70年代にはモブキャラ同然に…。一体、彼女に何があったのでしょうか?
ピーナッツの最初の女の子「パティ」新キャラの台頭と「個性のインフレ」
最大の理由は、身も蓋もないですが、もっと個性が強い新キャラクターが登場したからです。
特に、ルーシー・ヴァン・ペルトの存在は決定的でした。
ルーシー・ヴァン・ペルトは、パティが持っていた「意地悪な女の子」という役割を、より辛辣に、より哲学的に、そして圧倒的なインパクトで奪い去ってしまいました。
さらに、チャーリー・ブラウンの妹サリーが登場したことで、「年下の面倒を見る優しいお姉さん」という役割もそちらへ。
ライナスやシュローダーが独自の深いキャラクター性を確立していく中で、良くも悪くも「普通の女の子」だったパティの個性は、相対的に薄れていってしまったのです。
まるで、次々と新しいスターが現れる芸能界のようですね…。


「パティ」と「ペパーミント パティ」登場の余波?名前が似ているため?
1966年、スポーツ万能でボーイッシュな「ペパーミント パティ」が登場したことも、元祖パティの運命に影を落とした、という説は根強いです。
名前が似ているため、読者が混乱しないようにシュルツ氏が意図的に出番を減らしたのでは?というわけです。
しかし、この時点で既にパティの出番は減り始めていたため、これが直接的な原因というよりは、彼女のフェードアウトを決定づけた「最後の一押し」だったのかもしれません。


ピーナッツの最初の女の子「パティ」の最後の目撃情報・登場シーン


「私の『可愛いバブー(愛しい人)』に、バスを待ってる間ダンスしてくれないか聞いてみて……」
「僕は彼女のバブーじゃないし、100万ドル積まれたってダンスなんてしないよ!」
「ダンスが嫌いな奴もいるわよね……」
「ダンスが大好きな奴もいるけどね……」
「レコードをかけて、おチビちゃん……準備はできてるよ!」
1976年を最後に、パティがセリフ付きで登場することはほぼなくなりました。
作者のシュルツ氏は1994年のコミックに彼女を描いたと語っていますが、絵柄が少し違ったためファンの間では「本当にパティ?」と議論になったほど。
彼女がはっきりと姿を見せた最後のオリジナルコミックは、1995年4月17日のものとされています。
ピーナッツのパティに関する豆知識&トリビア集
最後に、知っているとちょっと自慢できるパティのトリビアをいくつかご紹介!


シャーミー「パティ、誕生日おめでとう!」
パティ「あら!ありがとう!」
シャーミー「領収書(レシート)はくれないのかい?!」


パティ「私の誕生日に何もくれなかったじゃない!!」
チャーリー「えっ、うわぁ……知らなかったんだ……いつだったの?知ってたら何かあげたのに……本当に。知らなかったんだよ……」
パティ「まあ、まだ時間は残っているわよ、チャーリー・ブラウン……」
パティ「明日なんだから!」
- 正真正銘の初代女子!
- 何度も言いますが、彼女は『ピーナッツ』に登場した最初の女性キャラクターです。すべての歴史は彼女から始まりました。
- 誕生日が設定されている!
- パティの誕生日は12月4日。これは、主要キャラでもごく一部にしか与えられていない特別な設定なんです。ちなみに…シュルツさんが設定を忘れてしまったのか「1954年10月20日」のコミックではパティの誕生日は「10月21日」となっています。
- 犬を飼っていた?
- 1989年のコミックで、彼女は「ブサイクな犬コンテスト」にフサフサの犬を連れて参加しています。スヌーピー以外にペットを飼っている、地味に珍しいキャラクターです。
- 実は年上組?
- コミックの初期、まだチャーリー・ブラウンが学校に通っていない頃に、彼女は既に通学している描写がありました。ギャングの中ではお姉さん的な存在だったんですね。
- ゲームの世界で再活躍!
- スマホゲーム『スヌーピー ストリート』では、なんと彼女は風船カートのお店の店主として登場!意外な形でファンとの再会を果たしています。
ピーナッツの最初の女の子「パティ」のよくある質問(FAQ)
まとめ 忘れられた功労者「パティ」への愛を込めて
パティは、『ピーナッツ』という長大な物語の歴史の中で、その役目を終え、静かに舞台の袖へと消えていきました。
彼女のフェードアウトは、作品が進化し、新しいキャラクターが輝きを放つための、ある意味で自然な新陳代謝だったのかもしれません。
しかし、彼女が初期の物語に与えた影響は、決して小さなものではありませんでした。
彼女の存在なくして、あの強烈なルーシーや、愛らしいサリー、そして快活なペパーミント パティといった、個性的で魅力あふれる女性キャラクターたちが生まれることはなかったでしょう。
パティは、『ピーナッツ』という作品の礎を築いた、忘れ得ぬ功労者なのです。
今度あなたが『ピーナッツ』のアニメを見るときは、ぜひ背景にいるチェック柄のワンピースの女の子を探してみてください。
彼女はきっと、今も仲間たちを静かに見守っているはずですから。
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