世界中で愛され続けているチャールズ・M・シュルツ氏の不朽の名作『ピーナッツ(Peanuts)』。
皆さんはこの物語の魅力を語る時、誰を思い浮かべますか?チャーリー・ブラウンの不運な日常や、スヌーピーの変幻自在な妄想、あるいはライナスの安心毛布……。
もちろん彼らは主役ですが、実はこの作品の深みを作っているのは、時折ひょっこり現れては読者の心に強烈な爪痕を残していく「マイナーキャラクター」たちなんです!
今回スポットライトを当てるのは、1991年に彗星のごとく(?)現れた少年、ラリー(Larry)。
彼は一見、どこにでもいる「ちょっと天然な男の子」に見えるかもしれません。でも、その正体が明かされた時の衝撃と、サリー・ブラウンとの絶妙な掛け合いを知れば、あなたもラリーの虜になること間違いなし。
まさに、ピーナッツの隠れた名脇役「ラリー」サリーを翻弄した牧師の息子の正体 を知ることで、シュルツ氏が描きたかった「人間模様の皮肉」が見えてくるのです。

ラリーの初登場 聖書学校でのトンデモ発言 サリーの怒りと恋愛?
物語はチャーリー・ブラウンが電話に出たところから始まります。
兄のチャーリー・ブラウンから日曜学校(バイブル・スクール)の講師の依頼を伝えられたサリー。自分に教えられる人がいるのかと驚くことで、サリー自身の知識のなさを自虐的に(あるいは無邪気に)強調しているが印象的ですね!

チャーリー・ブラウン「ええ、そうですね、奥様……やってみる価値はあると思います……ありがとうございます」
チャーリー・ブラウン「日曜学校で先生をやってほしいって言われたよ、僕と君でね」
サリー「誰に教えるの?」
サリー「私よりも知識のない人がこの世にいるってこと?」
ラリーが初めて新聞連載のコミックに姿を現したのは、1991年5月28日のことでした。
最初は名前すら明かされておらず、ただの「風変わりな生徒」として登場したんです。彼が名前を呼ばれるようになったのは、それから少し経った6月4日のエピソードから。

サリー「おはよう、みんな……日曜学校へようこそ……」
サリー「私の名前はサリー。私の方があなたたちより大きいから、私が先生になるわ……」
性格悪い男の子「かわいいお姉さんを期待してたのに……なんだよ、おばあちゃんかよ!」
すぬラリーの隣に座っている生徒の一人から「おばあちゃん」呼ばわり?とっても性格悪い!!
サリーが開校した「バイブル・スクール」の悲劇 変な子「ラリー」


物語の舞台は、チャーリー・ブラウンとサリーが自宅の庭で意気揚々と開校した「サマー・バイブル・スクール(夏季聖書学校)」。
先生役を務めるサリーは、やる気満々!そこに現れたのがラリーでした。しかし、ここでのラリーの言動が、サリーの逆鱗に触れまくることになります。
驚愕の歴史改変(?)
ラリーは聖書の知識が完全に「ゼロ」どころか、あらぬ方向へ飛んでいました。
なんと、「華麗なるギャツビーがガリラヤ湖を割った」なんて真顔で言い出したんです。フィッツジェラルドの名作とモーセの奇跡を混ぜ合わせちゃうなんて、シュールすぎて笑うしかありませんよね?


サリー「よし、みんな……まずは聖書の勉強を始めましょう……」
サリー「誰が石でゴリアテの頭を打ったか知ってる人はいる?」
ラリー「はい!グレート・ギャツビーです!」



聖書の有名な「ダビデとゴリアテ」の話を質問したサリーに対し、生徒のラリーが自信満々にフィッツジェラルドの小説の主人公『グレート・ギャツビー』の名前を挙げます


サリー「今日はガリラヤ湖について少しお話しします……」
ラリー「ギャツビーはガリラヤ湖のほとりに立ち、デイジーの家の桟橋の端にある緑色の光を見つめていました……」
サリー「君はこの辺に住んでる子なの?」



ラリーは聖書の話をすべて『グレート・ギャツビー』の内容に書き換えて発言します。あまりに堂々と間違ったことを言い続けるラリーに対し、サリーは怒るのを通り越して「君、本当にこのへんの子?」と呆れてしまいます。
サリー、ついにキレる!
「真面目にやりなさいよ!」と怒鳴りたくなるサリーの気持ちも分かります。あまりに的外れなコメントを連発するラリーに対し、ついに堪忍袋の緒が切れたサリーは、彼をクラスから追放してしまいました。
「もう二度と来ないで!」と言わんばかりの勢いで追い出されたラリー。しかし、物語はここから思わぬ方向へ転がっていきます。


サリー「バカな子ね!ギャツビーは聖書には出てこないわ!!なんで何度も彼の名前を出すの?!」
ラリー「ギャツビーはエリコに大邸宅を持っていて、よく盛大なパーティーを開いていたんです……」
サリー「違うわよ!あなたは混乱してるわ!!私のクラスをめちゃくちゃにしてるわ!」
ラリー「先生、あんまり優しくないね……何か薬でも飲んでるの?」



必死に訂正するサリーを無視して、ラリーは聖書の地名(エリコ)と小説の設定を混ぜ合わせます。サリーの激しい怒りを、ラリーが「情緒不安定なのは薬のせい?」と冷静かつ失礼に受け流す…


サリー「今日は紅海が割れるお話を勉強します……」
ラリー「グレート・ギャツビーがそれをやりました!」
サリー「やってないわよ!もう気が狂いそう!!私のクラスから出ていって!家に帰りなさい!」
サリー「さあ、何を待ってるの?」
ラリー「ドアノブに手が届かないんです……」



ついにサリーの忍耐が限界に達し、ラリーを追い出そうとします。しかし、威勢よく追い出されたはずのラリーが、実は小さすぎてドアを開けられないという物理的なオチ。まだ幼い子供であることを思い出させます。
衝撃の事実 ラリーは「牧師の息子」だった!?サリーとの恋愛模様


サリー「グレート・ギャツビーが旧約聖書に出てくると思ってるような子に、どうやって教えればいいっていうの?」
ラリー「彼をクラスから追い出したって聞いたよ……名前は何ていうんだい?」
サリー「ラリー……どうして?」
ラリー「彼は牧師さんの息子だよ!」
ラリーを追い出した翌日、サリー(そして読者)はひっくり返るような事実を知らされます。
そう、「ラリー」は、なんと地元の教会の牧師さんの息子だったのです!
「えっ、一番詳しいはずじゃないの?」と思いますよね?これこそがシュルツ氏の真骨頂。
最も聖書に精通しているべき環境で育ちながら、中身はスカスカ。この強烈な皮肉こそが、ピーナッツという作品が大人をも惹きつける理由なんです。



サリーが追い出した「聖書を全く知らない問題児」が、実は一番詳しくあるべき「牧師の息子」だったという衝撃の事実が判明します。サリーの困惑をさらに深める皮肉な結末ですよね。
サリーの怒りから恋への急展開になるの!?ラリーはロマンチック?


ラリー「おはようございます、先生……謝りに来ました……あなたのクラスを台無しにするつもりはなかったんです……」
ラリー「実は先生、僕はあなたに恋をしてしまいました……」
ラリー「僕にとってずっと大切だったものを、あなたにプレゼントしたいんです……」
サリー「なんてロマンチックなのかしら」
ラリーは自分の非を認めて、サリーに謝りに来ます。そこで放った一言がまた凄かった。
実は先生、僕はあなたに恋をしてしまいました……
……えええええええ、昨日まで怒鳴られてたのに!?
でも、この真っ直ぐすぎる(というか、やっぱりどこか抜けている)アプローチに、あの気の強いサリーもタジタジ。最終的には彼を許し、家の中に招き入れるという、なんとも微笑ましい「サリーらしくない」結末を迎えました。


ラリー「家に招いてくれてありがとうございます、先生……」
サリー「ねえラリー、あなたもお父さんみたいに牧師さんになるつもりなの?」
ラリー「お父さんは、そういう職業なんですか?」
ラリー…牧師のお父さんのことを全く興味ない…聖書より小説が好きなのね!?



いつものサリーなら、ライナスを引き合いに出して断るのに!!!こんな展開ってあるのー!?
ピーナッツの切なくも儚い恋…サリーとラリーの別れ 忘れない日曜学級


ラリー「さようなら、先生……あなたのことを思い出すときはいつも、ギャツビーと、デイジーの桟橋の端にある緑色の光を思い出します……」
サリー「私もあなたのことを想うわ、ラリー……」
ラリー「あばよ、オールド・スポート(親友)!」
最後までラリーは聖書の話を一切せず、小説の名セリフ「オールド・スポート(Old Sport)」を使って去っていきます。
それを見守るスヌーピーが心の中でそのセリフをリピートしており、サリーの日曜学校教師としての挑戦が、結局ギャツビー一色に染まって終わりました。
1991年後半 クリスマスの騒動とサリーの受難 馬鹿な子「ラリー」?


サリー「よし、誰かクリスマスについて何か教えてくれる人は?」
ラリー「グレート・ギャツビーは、自分の家で盛大なクリスマス・パーティーを開いていました……」
サリー「そんなことしてないわよ!一体どこからそんな考えが出てくるの?!」
ラリー「彼が小さかったとき、クリスマスにそりをもらって、それを『ローズバッド(バラのつぼみ)』と名付けたんです!」
サリー「もう耐えられないわ!」


サリー「いいわ、誰かどうしてクリスマスツリーの一番上に星を飾るのか教えてくれる?」
ラリー「ギャツビーは、通りの向こうにあるデイジーの家のツリーのてっぺんで光る、緑色の星を見つめていたんです……」
サリー「そんなわけないでしょ、このバカな子!」
性格の悪い男の子「クリスマスの直前に、誰かに向かって叫んだりすべきじゃないよ」
ラリーは同年12月18日と19日のストリップにも再登場しています。この時期のエピソードもまた、サリーにとっては災難でした。
名前こそ明示的に呼ばれませんが、サリーが彼(ラリー)を「バカな子供」と怒鳴り散らしたことが周囲の耳に入ります。すると、クラスメイトから「おいおい、クリスマスの直前だっていうのに、あんな風に怒鳴るなんて酷いじゃないか」と抗議されてしまうのです。
ラリーという存在は、サリーのいつもの妹要素と違った「お姉さん」要素を出してくれるキャラクターだったのかなと思います。
近年のメディアミックスで牧師の息子「ラリー」が再ブレイク中?
長らく「知る人ぞ知る」存在だったラリーですが、実は最近のピーナッツ界隈ではかなりの「推しキャラ」として復活を遂げています。これには古参ファンもビックリ!
1. ゲームアプリ『スヌーピー ライフ』での活躍 牧師の息子「ラリー」
2022年2月の「ウィンター・ラブ」イベントでラリーが登場した時は、ファンコミュニティがざわつきました。その後も。
- 2023年のバレンタインイベント
- 2024年の映画祭イベントなど、定期的に姿を見せています。今やゲーム内では欠かせない顔馴染みです。
2. Apple TV+のアニメシリーズでの出演 おとぼけキャラ「ラリー」
最新のアニメ『スヌーピー・プレゼンツ』シリーズでも、ラリーはこっそり出演しています。『ルーシーの学校』や『ようこそ、フランクリン』などを目を皿のようにして探してみると、セリフこそないものの、彼が紛れ込んでいるのを見つけられるはずです。
3. 『マーシー、あなたは特別』での大抜擢 セリフが出たよ「ラリー」
もっとも衝撃的だったのは、2023年公開の『スヌーピー・プレゼンツ:マーシー、あなたは特別(One-of-a-Kind Marcie)』。ここでラリーはついに、セリフのあるキャラクターとして堂々の登場!ジャクソン・リードが声を担当し、現代の子供たちにもその独特のキャラクター性をアピールしました。
ピーナッツの牧師の息子「ラリー」のキャラクター相関図
ラリーを取り巻く人間模様を整理してみましょう。これを読めば、いかに彼がサリーの日常をかき乱したかが一目で分かります。
| 関係する人物 | ラリーとの関係性 | エピソードのポイント |
| サリー・ブラウン | 片思いの相手 / 先生 | 聖書学校から追い出されるも、愛の告白で和解(?) |
| チャーリー・ブラウン | 聖書学校の共同運営者 | サリーの暴走をハラハラしながら見守る立場 |
| 牧師(父親) | 実の父親 | 息子が「ギャツビー」で聖書を語っているとは夢にも思わず |
| クラスメイトたち | 第三者の目 | サリーがラリーを怒鳴るのを見て、彼女を批判する |
まさに、ピーナッツの隠れた名脇役「ラリー」を中心に、小さなコミュニティで騒動が起きていたわけですね。
FAQ 牧師の息子「ラリー」についてのよくある質問
まとめ 牧師の息子「ラリー」というスパイスが教えてくれること
さて、ここまで ピーナッツの隠れた名脇役「ラリー」サリーを翻弄した牧師の息子の正体 について語ってきましたが、いかがでしたか?
ラリーというキャラクターは、決して物語の根幹を揺るがすような存在ではありません。
しかし、彼の存在は「知識があること」と「純粋であること」のどちらが大切か、あるいは「レッテル(牧師の息子)」がいかに当てにならないかという、鋭いメッセージを私たちに投げかけてくれます。
サリーの激しい気性と、ラリーのどこまでもマイペースな空回り。
この二人の化学反応は、ピーナッツという作品が持つ「ままならない日常の愛おしさ」を完璧に表現しています。
次にあなたがスヌーピーのコミックを手に取ったり、アニメを観たりする時は、ぜひ画面の端っこやコマの隅にいる「少しおっちょこちょいな男の子」を探してみてください。もしかしたら、それがラリーかもしれませんよ?
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