「やれやれ(Good Grief)」でおなじみのチャーリー・ブラウンや、変幻自在のビーグル犬スヌーピー。
彼らが織りなす『ピーナッツ(Peanuts)』の世界は、時に哲学的で、時に甘酸っぱい日常を描いていますよね?でも、そんな穏やかな住宅街のテニスコートに、突如として現れた「嵐」のような少女を覚えているでしょうか。
彼女の名前はモリー・ボレー(Molly Volley)。
可愛いリボンやピアノの音色とは無縁。ラケットを握れば形相が変わり、判定一つで相手を震え上がらせる彼女は、まさに「コート上の野獣」!

今回は、そんな彼女の魅力を深掘りするべく、## モリー・ボレー完全ガイド:『ピーナッツ』屈指の武闘派テニスプレイヤーの全貌をテーマに、彼女の正体、哲学、そしてシュルツ氏が彼女に託したメッセージを余すところなくお届けします。
屈指の武闘派テニスプレイヤーのモリー・ボレーの基本プロフィールとデビュー

まずは彼女がどこから来たのか、その「戦闘開始」の瞬間を振り返ってみましょう。
モリー・ボレーが初めてコミックに登場したのは1977年5月9日のこと。
当時、スヌーピーはガレージの壁を相手に「空想のパートナー」とダブルスを組むという、なんとも彼らしい孤独な(?)練習に励んでいました。
そこへ「新しいパートナー」として颯爽と、いや、どっしりと現れたのがモリーだったんです。

チャーリー・ブラウン「ダブルスの大会に向けて練習中だね……」
チャーリー・ブラウン「また君とガレージがペアを組むんだと思ってたよ……」
スヌーピー「そうはいかないさ」
スヌーピー「あいつ(ガレージ)、昔ほど動きが良くないんだ!」

一人で壁打ち(ガレージの壁)をしていたスヌーピーが、「壁が衰えた」と冗談を言うシュールな導入です。


チャーリー・ブラウン「ねえ、聞いて……」
チャーリー・ブラウン「混合ダブルスのチーム分けが掲示されたよ」
チャーリー・ブラウン「君のパートナーが誰か知ってる?モリー・ボレーだよ!」
スヌーピー「モリー・ボレー?!」


モリー「ハイ、あたしはモリー・ボレー!」
チャーリー・ブラウン「やあ、僕はチャーリー・ブラウン」
チャーリー・ブラウン「こっちがスヌーピー……大会で君のパートナーになるんだ」
モリー「混合ダブルスは知ってるけど、これはバカげてるわ!」



犬がパートナーだと知り、不機嫌を隠さないモリー。前途多難なスタートです。
屈指の武闘派テニスプレイヤーのモリー・ボレーを象徴する3つのポイント


モリー「いいわね、”パートナー”。」
モリー「最初にいくつかハッキリさせておく… 私は負けるのが大嫌いだ!」
モリー「ライン際の判定は全部私がやるし、オーバーヘッド(スマッシュ)も全部私が打つ!あんたはただ、自分のサイドを守ってればいいだけだ!」
- モリー・ボレーのトレードマーク
- 二色のテニスドレスに、顔を半分隠すほどの大きなフロッピーハット。そして何より、一度たりとも緩むことのない、不機嫌そうに寄せられた眉!
- モリー・ボレーの性格
- 「短気」という言葉では生ぬるいかもしれません。勝利のためなら、対戦相手はもちろん、審判、挙句の果てにはボールボーイ(!?)まで威圧する、徹底した武闘派です。
- モリー・ボレーの登場時期
- 彼女は一年中いるわけじゃありません。主に夏(たまに春)のテニスシーズンにだけ姿を現す、いわば「季節限定の刺客」なんです。
チャールズ・M・シュルツ氏は、自身も大のテニス好きとして知られていました。
モリー・ボレーというキャラクターは、彼がコートで目撃した「勝利に憑りつかれた人々」のカリカチュア(風刺画)だったのでしょう。


モリー「いいこと、パートナー。これだけは覚えときなさい……」
モリー「あんたが最初にダブルフォールトしたら、このラケットで頭をひっぱたいてやるから!」
モリー「よし、サーブしなさい!緊張しちゃダメよ……」
(ガタガタ震えながらサーブを打とうとするスヌーピー)


モリー「アウト!」
モリー「聞こえだろ!!アウトって言ったんだ!!スペルを書いて教えてあげようか?!」
モリー「あんたたちが打ったボールは全部アウトだ!私たちが打ったボールは全部インなのだよ!!!」
モリー「踏ん張れ、パートナー。私たちが勝つんだからな!!」


モリー「私のだ!!(MINE!!)」
モリー「いいチームワークだ、パートナー!私たちが勝つぞ!」


モリー「あんた、あたしのこと気に入らないんでしょ?」
モリー「必死になりすぎだと思ってるんでしょ?」
モリー「いい、教えてあげるわ……どういうことか知りたい?」
スヌーピー「僕ならわかるよ……やっぱりガレージと組んでおけばよかった!」


モリー「あんたが判定しなさい!インなのアウトなの?勝ちなの負けなの?」
スヌーピー「(ボールは)イン!」
スヌーピー「ごめんよ、パートナー!」(チュッ!)
モリー「ギャアア!!」



相手のボールが「イン(有効)」だと正直に認め、負けを確定させたスヌーピー。怒るモリーにキスをして逃げ出します。


チャーリー・ブラウン「誇りに思うよ、スヌーピー……」
チャーリー・ブラウン「たとえ試合に負けることになっても、君は正しいコールをした……」
スヌーピー「それがスポーツマンシップってもんだ」
スヌーピー「それに、もうすぐ夕食の時間だって分かってたからね」



美談に見えましたが、実は「早く帰ってご飯を食べたかったから」というスヌーピーらしいオチで締めくくられます。
コート上の戦い?宿敵「泣き虫」ブービーと「誤審の」ベニーの死闘
モリーの物語を語るなら、彼女が繰り広げた「泥沼のライバル関係」は外せません。
まさに『ピーナッツ』屈指の武闘派テニスプレイヤーのモリー・ボレーに相応しい、血湧き肉躍る(?)エピソードが満載です。
モリー・ボレー対戦相手① 「泣き虫」ブービー(”Crybaby” Boobie)


モリーにとって最大の宿敵。
とにかく、自分に不利な判定が出るたびに「えーん!」と泣き喚く、ある意味最強の困ったちゃんです。
モリーは彼女の絶え間ないグズりに対し、「黙ってサーブしなさい!(SHUT UP AND SERVE!)」と一喝!このやり取りはもはや様式美の域に達していました。


モリー・ボレー対戦相手の親② ブービー夫人(Mrs. Boobie)
娘のブービーを溺愛するステージママ。彼女の応援スタイルがまた強烈で、コート脇に停めた車から「プップー!」とクラクションを鳴らすんです。
これにブチ切れたモリーは、「次に鳴らしたらハンドルを引きちぎってやるから!」と宣言。このバイオレンスなまでの情熱、もはやテニスの枠を超えてますよね?
モリー・ボレー対戦相手③「誤審の」ベニー(”Bad-call” Benny)


自分に都合の悪い球はすべて「アウト!」と言い張る少年。
彼がモリーを「太脚(Fat Legs)」と揶揄した瞬間、モリーの右ストレートが火を噴きました。 そう、彼女にとって「太脚」は絶対のNGワード。コンプレックスを突かれた時の彼女は、プロボクサー顔負けの破壊力を見せるのです。


モリー・ボレーのテニス哲学 チャンピオンはどこで生まれるか


モリー「チャンピオンがどこで生まれるか知ってる?」
モリー「ウィンブルドンやフォレストヒルズ(全米オープン旧会場)じゃないわ!」
モリー「こういう汚くてデコボコの、ひどいコートよ!自分でライン判定をして、自分でスコアをつけるような場所で生まれるの!」
チャーリー・ブラウン「身に沁みるね!」
スヌーピー「帰りたい、でも彼女に殺されそう!」


モリー「あそこにいる太ったおばさんを見て」
モリー「対戦相手の親よ……」
モリー「自分の愛娘が良い判定をもらえるように見張ってるの!あたしのこと嫌ってるわ」
モリー「あたしがプレーする時は、全ての判定がセンチメートル単位になるって彼女は分かってるのよ!」
単なる「怒りん坊」だと思ったら大間違い!モリーは、敗北を知るチャーリー・ブラウンに対して、非常に重みのある言葉を残しています。
「チャンピオンはウィンブルドンやフォレストヒルズ(全米オープン旧会場)で生まれるんじゃない。自分でライン判定をし、自分でスコアをつける、この近所の汚くてボコボコのコートで生まれるのよ。」
これ、深くないですか? 華やかなプロの世界ではなく、孤独に自分と向き合い、時には理不尽な環境で這いつくばって戦うこと。
そのプロセスこそが真のアスリートを作るのだという彼女の信念。モリー・ボレー『ピーナッツ』屈指の武闘派テニスプレイヤーを紐解くと、彼女がただの「ガキ大将」ではなく、求道者としての側面を持っていたことがわかります。


モリー「いい、パートナー。こういうルールで行くわよ……」
モリー「もし勝ったら、手柄はあたしのもの……」
モリー「もし負けたら、責任はあんたのもの!」
スヌーピー「(それなら)チョコチップクッキーは誰のものになるんだ?」
テニスプレイヤーのモリー・ボレーとスヌーピーとのコンビ解消と引退


モリー「クッキーを全部食べたわね!!」
モリー「試合もまだ始まってないのに、あんたクッキーを全部食べちゃったじゃない!」
モリー「これからどうするつもりなのよ?」
ライナス「ピザを注文したのは誰だい?」


チャーリー・ブラウン「モリー・ボレーが君に怒ってるよ!」
チャーリー・ブラウン「二度と君とは混合ダブルスを組まないってさ!」
チャーリー・ブラウン「君はサイテーのパートナーだって言ってたよ……」
スヌーピー「ビリー・ジーンはまだ僕を愛してくれてるもんね!」



モリーに愛想を尽かされても、スヌーピーはどこ吹く風。ここで彼が名前を出す「ビリー・ジーン(・キング)」は実在の伝説的テニスプレーヤーで、スヌーピーは彼女の大ファン(という設定)です。モリーよりも格上のスターに愛されていると信じることで、負け惜しみを言っていますのかも。
名コンビ(?)として数々の試合をこなしたスヌーピーとモリー。しかし、自由奔放すぎるスヌーピーのプレーに、モリーの忍耐は限界を迎えます。(ちなみに限界を超えた理由は試合前にクッキーを全部食べてしまい、ピザも追加で食べようとしたからです。)
1985年、ついに彼女は「二度とあんたのパートナーにはならない!」と三行半を突きつけ、表舞台から姿を消しました。
その後、1990年に一度だけ再登場しましたが、スヌーピーとの約束(絶縁宣言)を破ることはありませんでした。筋を通す女、それがモリー・ボレーなのです。


モリー「いい、パートナー。よく聞きなさい……」
モリー「あたしは負けるためにここに来たんじゃないわ!」
モリー「良いダブルスチームになりたいなら、コミュニケーションを取らなきゃダメよ」
モリー「単に『ユアーズ(任せた)』か『マイン(あたしが打つ)』って叫ぶだけの話よ」
スヌーピー「マイン(僕のだ)!」
スヌーピー「ユアーズ(君の番だ)!」
FAQ テニスプレイヤーのモリー・ボレーにまつわるよくある質問
まとめ 屈指の武闘派テニスプレイヤーのモリー・ボレーが遺したもの
さて、ここまでモリー・ボレー完全ガイド:『ピーナッツ』屈指の武闘派テニスプレイヤーの全貌を一緒に見てきましたが、いかがでしたか?
彼女は決して、読者に好かれるために作られたキャラクターではありません。不機嫌で、暴力的で、負けず嫌い。でも、勝利への純粋すぎる執着や、自分の体型に対するコンプレックスを隠そうとしないその姿は、あまりにも「人間的」だと思いませんか?
「太脚」と言われて怒り、「黙ってサーブしろ!」と叫ぶ。そんな彼女の泥臭い生き様は、綺麗事だけでは語れない勝負の世界の真実を、私たちに教えてくれているような気がします。
スヌーピーの横に彼女がいないのは少し寂しい気もしますが、きっと今頃、どこかボコボコのコートで、誰よりも真剣にライン判定をしているに違いありません!
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