みなさんは「ラムケーキ」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
美味しそうな洋菓子?それとも……。ピーナッツファンにとって、この言葉は甘い香りというよりは、ちょっとした「混乱と暴力(!)」のスパイスが効いた思い出を呼び起こすものなんです。
今回紹介するのは、ラムケーキなど地雷を踏みぬく、ピーナッツの隠れた名キャラクター「フロイド(Floyd)」です。

フロイドは、原作コミックでの登場期間こそ短いものの、その特異なキャラクター性で「知る人ぞ知る名脇役」としての地位を確立しました。
なぜ彼はマーシーを追い回したのか?
なぜペパーミント パティを怒らせたのか?
そんな彼の生態を、当時の連載エピソードに沿って解き明かしていきましょう。
ピーナッツの地雷処理「フロイド」の初登場 1976年夏のキャンプ物語
物語の舞台は、1976年7月19日。夏真っ盛りのキャンプへと向かうバスの中でした。
ペパーミント パティとマーシーが参加したこのサマーキャンプで、フロイドは当初「存在だけ」として言及されます。
マーシー大好き「フロイド」洗礼としての「救急箱」

マーシー「キャンプまであとどのくらいですか、先輩(サー)?」
パティ「あと1時間くらいだよ、マーシー」
マーシー「先輩、後ろの子が私のことを変な名前で呼んだんです…」
パティ「黙るように言ってやりな。さもないと、そいつの背表紙(バインディング)を叩き割って、お先を真っ暗にしてやるからね!」
マーシー「先輩は、なんて多彩な表現をお使いになるんでしょう!」
マーシーは、自分の後ろの席に座る男の子(まだ名前も出てこないフロイド)に悪口を言われているとパティに訴えます。
「ねえ、後ろの子が私の悪口を言ってるわ!」なんて、よくある学校の風景ですよね。

マーシー「先輩、後ろの子がしつこく悪口を言ってくるんです…」
パティ「キャンプに着いたら教えて、マーシー。そいつの寿命を縮めてやるから!」
マーシー「大丈夫です、先輩。もうやっつけました…」
パティ「怪我でもさせたのかい? 救急箱(ファーストエイドキット)持ってる?」
マーシー「それが、彼にぶつけた物なんです!」
ところが、そこは我らがマーシー。彼女の対応は並大抵じゃありませんでした。
なんと、持っていた救急箱で彼の頭をぶっ叩くという、あまりにダイレクトな先制攻撃を繰り出したのです。

マーシーは圧倒的な「実力行使」で問題を解決していくタイプだった!?
ピーナッツの仲間 容赦ないマーシーの「おもてなし」フロイドの受難
キャンプ地に到着してからも、フロイドの受難は続きます。
彼はめげずにマーシーに関わろうとしますが、そのたびにマーシーからは、以下のような「お見舞い」が届けられました。
- ランチを投げつけられる
- 桟橋から湖へと豪快に突き落とされる
- 毒ツタ(ポイズン・オーク)の茂みに放り込まれる
正直、ここまでされたら普通は諦めますよね?でも、フロイドは違いました。
彼はこの洗礼を、ある種の手荒いコミュニケーションとして受け止めていた……のかもしれません。


パティ「このキャンプの飯、うまいね!マーシー、あんた食べないの?」
マーシー「また例の子に悪口を言われたんです、先輩。喉を通りません…」
パティ「そんなにショックで食べられないのかい?」
マーシー「いえ、昼食をそいつに投げつけちゃったんです!」


パティ「最高だね、マーシー。この湖、木々、空…」
マーシー「同感です。美しいですね、先輩!」
パティ「ところで、あの悪口を言ってた子はどうしたんだい?」
マーシー「あそこでバシャバシャやってるのがそうかな…」
マーシー「私が桟橋から突き落としたんです!」


パティ「マーシー、聞いて! 小屋の外で何かがカリカリ引っかいてるよ!」
マーシー「例の悪口を言ってた子だと思います、先輩…」
パティ「本当かい? もし中に入ろうとするなら、腕をへし折ってやる!」
マーシー「入ろうとしてるんじゃないんです、先輩。ただ、痒くてかきむしってるだけで…」
マーシー「私が毒ツタ(ポイズン・オーク)の中に突き飛ばしたんです!」


パティ「マーシー、あんたあの子を殺す気かい!」
パティ「救急箱をぶつけ、昼食のトレイで殴り、湖に落とし、毒ツタの茂みに放り込むなんて!!」
マーシー「先輩、お気づきですか? 今日は一度も悪口を言われていないことに」
パティ「今、その子どこにいるんだい?」
マーシー「医務室(ディスペンサリー)です!」



いつもは強気でスポーツ万能なパティですが、自分以上の過激さを見せるマーシーに対して、後半になるにつれて引き気味(ドン引き)になっているのがポイントです。
マーシー大好きフロイドの「ラムケーキ」に込められた真意と誤解
連載開始から6日が経過した7月26日、ようやくその少年が読者の前に姿を現し、自らを「フロイド」と名乗ります。
ここで読者は衝撃の事実を知ることに。
なんと、彼がマーシーを執拗に追いかけ回していたのは、嫌がらせではなく「彼女が大好きだったから」なんです!
いわゆる、好きな子ほどいじめたくなるタイプだったわけですね。
マーシー大好きフロイドが放つ愛称「ラムケーキ」の悲劇とは


マーシー「あの子が私のことをなんて呼んでるか、まだ聞いていませんよね、先輩(サー)?」
パティ「よし、聞いてやるよ…ちょうど私の後ろにいるね…聞いてやるから…」
フロイド「やあ、ラムケーキ(子羊ちゃん)!」
パティ「ラムケーキ?」
パティ「ラムケーキだって?」
フロイドは、マーシーのことを「ラムケーキ(Lambcake)」という愛称で呼び始めます。
直訳すれば「子羊ちゃん」のようなニュアンスでしょうか。フロイドにしてみれば、最大限の愛情表現だったはず。
しかし、マーシーにとってそれは「自分をバカにするための皮肉」にしか聞こえませんでした。
彼女は頑なにその呼び名を拒絶し、フロイドを避け続けます。
ここで面白いのが、第三者のペパーミント パティの反応です。
「ラムケーキなんて、すごく可愛い呼び名じゃない!怒るなんておかしいわよ」とマーシーをなだめるのですが、その直後、フロイドがパティに向かって「サー(先輩/Sir)」と呼びかけた瞬間、事態は一変。


パティ「マーシー!『ラムケーキ』って呼ばれたくらいで人を殴っちゃダメだよ!」
フロイド「何が起きたんだ? 僕はどこにいるの?」
パティ「ごめんよ、坊や…私の友達、ちょっと話が通じないところがあって…」
フロイド「君の友達、気に入ったよ…彼女、可愛いと思うな、先輩!」
パティ「私のことを『先輩』って呼ぶな!!」
自分のことを「女の子」として扱ってほしいパティにとって、この呼び名は最大の禁句。
結局、パティもブチ切れてフロイドを叩きのめすという、ピーナッツらしいコミカルで理不尽なオチがつくことになりました。


パティ「いいかい、坊や…はっきり言いな!」
パティ「どうして私の友達のマーシーを困らせるんだ? なんで変な名前で呼ぶんだい?」
フロイド「ただ彼女と親しくなりたかっただけなんだ…彼女、可愛いと思うし…」
パティ「あんたのこと可愛いって思ってるってさ、マーシー…」
マーシー「そいつを叩きのめしてください、先輩! 嫌味(サーカズム)を言ってるだけです!」



恋は痛みを伴うといっても、物理的に痛いのは知りたくなかったですよね…
マーシー大好きフロイドが積極的に?空回りする恋心
フロイドはマーシーに振り向いてもらうために、色々行動を起こします。ペパーミントパティに相談してみたり、前回の経験を活かし、愛を叫んだり…どれも成功しなかったけど…


フロイド「君の友達を『ラムケーキ』って呼んだのは間違いだったかな、先輩?」
パティ「いいや、あんたが間違ってるのは私のことを『先輩』って呼ぶことだよ!」
フロイド「彼女は綺麗だと思うし…恋に落ちちゃったみたいだ。」
パティ「君の名前は?」
フロイド「フロイドです、先輩」
パティ「いいかい、フロイド。恋ってのは、時に痛みを伴うものなんだよ」
フロイド「バスの中で彼女に救急箱をぶつけられた時に、もう気づいてました!」


パティ「フロイドはいい子みたいだよ、マーシー。あんたのことが本当に好きみたいだし…」
マーシー「私は犬も猫も馬もハムスターも、何も飼ったことがないんです、先輩…ボーイフレンドを作る準備なんて、とてもできてません!」
パティ「つまり、ボーイフレンドを作る前に、犬や猫や馬やハムスターを飼わなきゃいけないってことかい?!」
マーシー「物事には順序というものがあるんです、先輩!」


フロイド「隣に座ってもいいかな?」
フロイド「この前ここで『ラムケーキ』って呼んだら、湖に突き落とされたからね」
マーシー「だから?」
フロイド「今回は準備してきたんだ…」
フロイド「やあ、ラムケーキ!」(救命胴衣を着用して登場)


フロイド「君の写真を撮ってもいいかな、ラムケーキ?」
フロイド「それか、こうやってお互いに肩を組んで撮るってのはどうだい…」
(パシッ!とマーシーがフロイドをなぎ倒す)
パティ「フロイド、もう一枚撮っておくかい? 保険会社に見せるためにさ」


フロイド「おはよう、ラムケーキ」
パティ「いい加減にしな、フロイド!」
パティ「マーシーがあんたと関わりたがってないって、まだわからないのかい?」
フロイド「でも僕は彼女が好きなんだ! 彼女は美しいと思うよ!」
パティ「どうだい、マーシー?」
マーシー「そいつをワッフルでひっぱたいてください、先輩…また嫌味を言ってます!」


フロイド「ヘイ、ラムケーキ!」
フロイド「僕がこの岩から水の中に飛び込んだら、見直してくれるかい?」
フロイド「彼女、振り向いて、そのまま行っちゃったよ…」
パティ「(水の中から)この浮き輪、どうしてほしいんだい?」
ピーナッツの名脇役「フロイド」の人間関係とキャンプの終わり


フロイド「今日帰らなきゃいけないんだ…手紙を書いてもいいかな?」
マーシー「好きなだけ書けばいいです。でも私は返事を出しません」
フロイド「君の名字も住所も知らないんだ!」
マーシー「そういうものですよ、ラムケーキ!」
パティ「あんたって変だよ、マーシー!」
キャンプという限られた時間の中で、フロイドは一途に(あるいはしつこく)マーシーの背中を追い続けました。
しかし、結末はちょっぴり切ないものでした。
- マーシーへの届かぬ想い
- 1976年8月6日、キャンプ最終日のエピソード。フロイドは帰路につく際、重大なミスに気づきます。なんと彼は、マーシーの苗字も住所も聞いていなかったのです!これでは手紙を送ることすらできません。彼は「住所も知らないなんて……」と嘆きながら、初恋(?)の終わりを迎えることになります。
- ペパーミント パティとの埋まらない溝
- パティを「先輩」「先生」や「閣下」を意味する「Sir」と呼び続けたことで、彼は最後まで彼女の地雷を踏み抜きました。ある意味、空気を読まない(読めない)彼の性格が、マーシーとの人間関係をより複雑に、そして面白くしていたのは間違いありません。
残念ながら、シュルツ氏による原作コミックでフロイドが再登場することはありませんでしたが、この数週間のエピソードだけで、彼はファンの記憶に深く刻まれることとなったのです。
アニメーション作品におけるピーナッツの名脇役「フロイド」の変遷
さて、ここからが「ピーナッツの隠れた名キャラクターフロイド(Floyd)」の真骨頂です。実はフロイド、原作終了後もアニメの世界で着実にキャリア(?)を積んでいるんです。
フロイド『ザ・チャーリー・ブラウン&スヌーピー・ショー』での変化


1980年代に放送されたこのシリーズの「The Lost Ballpark」内の一編「Marcie」に、フロイドが登場します
ここでファンを驚かせたのが、彼のビジュアルの変化です。
原作コミックでは黒髪の少年として描かれていましたが、このアニメでは鮮やかな赤髪に変更されていました。
ピーナッツの名脇役「フロイド」Apple TV+ 時代のリバイバル
2020年代に入ると、フロイドの「再登場」が活発化します。
現代の技術で描かれる彼は、より表情豊かに、そして相変わらず不器用な少年として描かれています。
- 『スヌーピー プレゼンツ:あけましておめでとう』(2021)
- 『スヌーピー プレゼンツ:ちいさなことからコツコツと』(2022)
- 『スヌーピー プレゼンツ:オンリーワンのマーシー』(2023)
特に2023年の作品では、マーシーが主役ということもあり、フロイドも重要な役割を担っています。
かつてコミックで彼を知った世代も、新しいアニメで彼を知った子供たちも、同じ「ラムケーキ」という言葉にニヤリとできる……これって、素晴らしいことだと思いませんか?
ゲームアプリ『スヌーピー ライフ』での活躍「フロイド」
「ピーナッツの隠れた名キャラクター:フロイド(Floyd)」として、現代のデジタルコンテンツも見逃せません。
モバイルゲーム『スヌーピー ライフ(Snoopy’s Town Tale)』では、フロイドが期間限定イベントの常連として活躍しています。
| 登場時期 | イベント名 | 役割・内容 |
| 2021年5月 | Dig event | ゲーム内初登場!発掘ストーリーを盛り上げました。 |
| 2023年10月 | Halloween Science event | 科学イベントで怪しい(?)活躍を披露。 |
| 2024年11月 | Thanksgiving Dinner event | 感謝祭の食卓に、あの赤髪の少年が! |
このように、彼は「過去の遺物」ではなく、今もなおピーナッツ・ファミリーの一員として、私たちのスマホの中で生き続けているのです。
FAQ ピーナッツの名脇役「フロイド」に関するよくある質問
まとめ マーシーに片思いの「フロイド」というキャラクターの意義
いかがでしたでしょうか。ピーナッツの隠れた名キャラクター「フロイド(Floyd)」の彼の魅力は伝わりましたか?
フロイドは、決してチャーリー・ブラウンのように物語の屋台骨を支える存在ではありません。
しかし、彼がいたからこそ、マーシーの「頑固さ」や「恋愛に対する極度の不器用さ」という新たな一面が引き出されました。
また、彼の「ラムケーキ」という呼び名は、たとえ相手に伝わらなくても、誰かを特別に想うことの可笑しさと切なさを象徴しているように思えます。
シュルツ氏が描いた豊かなキャラクターの層。
その一角を担うフロイドを知ることで、ピーナッツの世界はもっと色鮮やかに見えるはずです。
次にアニメや漫画を見る時は、ぜひあのちょっと生意気で、でも憎めない「ラムケーキ」の伝道師を探してみてくださいね!
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