世界中で愛されるチャールズ・M・シュルツさんの傑作漫画『ピーナッツ(Peanuts)』。
チャーリー・ブラウンやスヌーピー、ルーシーといった個性豊かな面々が揃う中で、わずか数ヶ月間しか登場しなかった「幻のキャラクター」が存在します。
その名はシャーロット・ブラウン(Charlotte Braun)。
彼女はなぜ短期間で姿を消したのか、そしてシュルツさんが彼女に下した「衝撃の結末」とは何だったのか。

本記事では、ピーナッツの登場キャラクター「シャーロット・ブラウン」の歴史、性格、そして彼女が後のキャラクターとして与えた影響について、どこよりも詳しく解説いたします。
今回は、この幻のキャラクター「シャーロット・ブラウン」というテーマを軸に、シュルツさんのピーナッツにかける想いを感じ取っていただければと思います。
「シャーロット・ブラウン」なぜ彼女は「幻」と呼ばれているのか?

皆さんは、チャーリー・ブラウンに「鏡合わせ」のような女の子の友だちがいたことをご存知でしょうか?
スヌーピーの可愛らしい仕草やライナスの安心毛布に癒やされているファンであっても、1950年代の初期連載に一瞬だけ現れたシャーロット・ブラウンの名を知る人は、かなりの『ピーナッツ』通と言えるでしょう。
「幻」と言われる最大の理由は、その極端に短い登場期間にあります。
彼女は彗星のごとく現れ、読者に強烈な違和感(あるいは不快感?)を残したまま、作者の手によって文字通り「抹消」されてしまったのです。
シャーロット・ブラウンの誕生と背景

チャーリー・ブラウン「コホン!君、このあたりじゃ見かけない顔だね?」
チャーリー・ブラウン「僕の名前はチャーリー・ブラウン。友達からはみんな『いい人チャーリー・ブラウン』って呼ばれてるんだ」
シャーロット「あたしの友達も、あたしのことをそう呼ぶわよ…」
チャーリー・ブラウン「えっ?」
シャーロット「いい人シャーロット・ブラウンってね!」
チャーリー・ブラウン「なんてこった…」
シャーロット・ブラウンが初めて新聞連載に登場したのは、1954年11月30日のことでした。
彼女の名前は主人公チャーリー・ブラウン(Charlie Brown)の語呂合わせであり、当初は「チャーリー・ブラウンの女の子版」として登場されました。
後の時代にチャーリー・ブラウンの妹としてサリー(Sally)が登場しますが、シャーロットはその枠組みを先取りしたような存在でした。
しかし、彼女のキャラクター性はチャーリー・ブラウンとは正反対の、極めて強烈なものでした。

名前も二つ名もそっくりな女の子が登場し、チャーリー・ブラウンが困惑する記念すべき初登場回です。
「シャーロット・ブラウン」基本プロフィール チャーリーブラウンとの関係?親戚?


バイオレット「シャーロット・ブラウンね?いい名前じゃない」
バイオレット「チャーリー・ブラウンと何か親戚関係なの?」
シャーロット「やだ、まさか!」
シャーロット「全然違うわよ!とんでもない!絶対に違うわ!」
チャーリーブラウン「わかったよ!そんなにしつこく言わなくてもいいじゃない!」



チャーリー・ブラウン本人がすぐ後ろ(隠れている)で聞いている中、全力で否定される悲哀が描かれています。
| 項目 | 詳細 |
| 初登場日 | 1954年11月30日 |
| 最終登場日 | 1955年2月1日 |
| 登場回数 | 計10回 |
| 外見的特徴 | 茶髪の巻き毛、尖った鼻、ピンクのシャツ、水色のスカート |
| 性格 | 主張的、大声、自己中心的 |
たった10回!驚きの少なさですよね?
これだけ短いと、もはや「読み飛ばしてしまった」レベルかもしれませんが、その10回の中に凝縮された彼女の存在感は、今のピーナッツ作品からは想像もできないほどトゲのあるものでした。
「シャーロット・ブラウン」強烈すぎる個性?ルーシーのプロトタイプ?
「シャーロット・ブラウン」強烈すぎる個性?大きすぎる声
シャーロット・ブラウンの最大の特徴は、その「声の大きさ」にありました。
彼女は登場するたびに、周囲のキャラクター(特にチャーリー・ブラウンやバイオレット)を大声で圧倒し、自分の意見を押し通します。
チャーリー・ブラウンが「彼女は、僕が知る中で唯一『ハイファイ・スピーカー』を内蔵してる女の子だよ…」と思わず言ってしまうほど、彼女の声は特徴的でした。


チャーリー・ブラウン「パティ、シャーロット・ブラウンを紹介するよ」
パティ「はじめまして」
シャーロット「はじめまして!!」
パティ「彼女、ものすごく声が大きいのね?」
シャーロット「それが自分の主張を伝えるやり方なのよ!」


チャーリー・ブラウン「シャーロット、そんなに大声で話さなきゃいけないのかい?」
シャーロット「大声なんて出してないわ。これが私の普通の声よ」
シャーロット「本当に大声で話すときはこんな感じよ!!」
シャーロット「それか、声が裏返るときはこんな感じよ!!!」


シャーロット「あたしの声が大きすぎると思う、チャーリー・ブラウン?」
シャーロット「声が大きい人は、リーダーシップのある性格で、はっきりした意見を持っているのよ…」
シャーロット「あたしたちには言いたいことがあるの。そして、それをしっかり伝えたいのよ!」
シャーロット「質問に答えてないわよ、チャーリー・ブラウン!」


シャーロット「あら、いい人チャーリー・ブラウンじゃない!」
シャーロット「ずっとどこに隠れていたの?」
シャーロット「ごめんなさい、ゆっくり話せないわ。もう家に帰らなきゃ…」
チャーリー・ブラウン「彼女は、僕が知る中で唯一『ハイファイ・スピーカー』を内蔵してる女の子だよ…」
「シャーロット・ブラウン」ルーシーに引き継がれる「圧」?


チャーリー・ブラウン「シャーロット・ブラウンが来たぞ。機嫌を損ねないように、何か褒めてみようかな…」
チャーリー・ブラウン「やあ、シャーロット。君の髪は本当にきれいだね!」
シャーロット「あら、ずいぶん皮肉な言い方ね」
シャーロット「人に優しいことが言えないなら、何も言わないことね!」


ライナス「ううっ…あの大声のシャーロット・ブラウンが来たぞ…」
シャーロット「あら!なんて可愛いの!」
シャーロット「毛布も持ってるのね!いいわね、いいわね!」
(ライナス、毛布を頭から被って隠れる)
興味深いことに、シャーロットが登場していた時期、後の「ガミガミ屋」として知られるルーシー・ヴァン・ペルトは、まだ「無垢で純真な幼い子供」として描かれています。
シャーロットが物語から姿を消した後、入れ替わるようにルーシーの性格が今の強気なものへと変化していったことから、シャーロットの性格的要素(圧)はルーシーへと引き継がれたと考えられています。
つまり、シャーロットは「不人気ゆえに消された」という側面もありますが、その「圧」の部分はルーシーという主要キャラを完成させるための貴重な要素になったというわけですね。



ルーシーに引き継がれた特徴は「声の大きさ=主張の強さ」ですね。シャーロット・ブラウンは登場回数が少なく、個性がもっと出てくる前に降板された影響かと思います。
「シャーロット・ブラウン」と「シャーミー」との奇妙な相関関係


シャーロット「女の子たちが一緒に遊んでくれないの…」
シャーロット「みんな、あたしの声が大きすぎるって言うの。ねえチャーリー・ブラウン、あたしの声って大きすぎるかしら?」
チャーリー・ブラウン「ちょっと待ってて…そのままそこにいて…」
チャーリー・ブラウン(遠く離れた場所から)「さあ、なんて言ったんだい?」
シャーロット・ブラウンの登場期間中、ピーナッツの初期主要メンバーであったシャーミー(Shermy)が完全に姿を消していたことは、ファンの間でも有名なトピックです。
- シャーミーは1954年10月中旬から姿を消し、シャーロットが登場している間、一度も誌面に現れませんでした。
- シャーロットが1955年2月1日に最後の登場を果たした後、ちょうど2週間後の2月15日にシャーミーが再登場しました。
このことから、シャーロットは影が薄くなりつつあったシャーミーの代役、あるいは新しいパワーバランスを構築するための試行錯誤の一環として投入された可能性が高いと推測されます。
「男の子ばかりじゃ飽きられちゃうかな?」なんて、当時のシュルツ氏も悩んでいたのかもしれませんね。「特徴的な女の子」の登場は、必然だったのかと思います。
「シャーロット・ブラウン」衝撃の「処刑」エピソード シュルツの手紙


バイオレット「ねえ、もし大人になってチャーリー・ブラウンと結婚したらどうなるか知ってる?」
バイオレット「シャーロット・ブラウン(Braun)から、シャーロット・ブラウン(Brown)になるのよ!」
シャーロット(ショックで黙り込む)
シャーロット「私の人生から消えてよ、チャーリー・ブラウン!!」
チャーリー・ブラウン「?」
さて、ここからが本題。幻のキャラクター「シャーロット・ブラウン」の中でも最もセンセーショナルな部分です。
シャーロット・ブラウンがわずか10回で連載から消えた裏には、読者からのフィードバックがありました。
1955年当時、エリザベス・スウェイムという女性読者がシュルツに対し、「シャーロット・ブラウンを登場させないでほしい」という手紙を送りました。
彼女の不評の理由は、シャーロットには他のキャラクターが持つ「温かみ」や「ユーモア」が欠けているという点にありました。
【ファンからの「削除要請」】
1955年、エリザベスさんはシュルツさんに対し、「シャーロット・ブラウンを漫画から消してほしい」という手紙を送りました。実は、彼女以外にも多くの読者が「シャーロットには他のキャラのような温かみやユーモアがない」と感じ、彼女の存在を快く思っていなかったという説もあります。
これに対するシュルツの返信は、衝撃的なものでした。
この手紙には、頭に斧が刺さったシャーロット・ブラウンのイラストが添えられていました。
しかし、この書簡は現在、アメリカ議会図書館に保管されており、ピーナッツ史における有名なエピソードの一つとなっています。
シャーロット・ブラウンの「追放」にまつわる奇妙な実話
2000年2月にチャールズ・M・シュルツが亡くなった直後、ある一通の手紙がアメリカ議会図書館に寄贈されました。送り主は、長年のファンだったエリザベス・スウェイムさんという女性です。
その手紙の内容から、初期のキャラクターであるシャーロット・ブラウンが物語から消えた「衝撃の真相」が明らかになりました。


「親愛なるスウェイムさん、シャーロット・ブラウンに関するあなたのご提案を受け入れ、最終的には彼女を排除することにします。……しかし、あなたとあなたの友人は、罪のない子供の死に対して責任を負うことになるということを忘れないでください。その覚悟はできていますか?」
後の作品への影響とトリビア「シャーロット・ブラウン」の見た目
シャーロット・ブラウンは短命に終わりましたが、そのデザインや設定は後のキャラクターに断片的に受け継がれています。
- フリーダ(Frieda)との関係性
- 「自慢の天然パーマ」を持つフリーダのデザインは、シャーロットの巻き毛から着想を得たと言われています。たしかに、あのクルクル感は似てますよね?
- 尖った鼻
- シャーロットはピーナッツで初めて「尖った鼻」を持って描かれたキャラクターの一人です。これは後にペパーミント・パティやリディアなどのデザインにも採用されました。
- 再登場
- 長らく忘れられた存在でしたが、モバイルゲーム『Snoopy’s Town Tale』にて、ファンへのサービスとして再登場を果たしました。「まさかの復活!」に古参ファンは涙したとか、しないとか。
それにしても、これほどまでに設定が継承されているのを見ると、シュルツ氏は彼女を大切に個性を分けて、他の愛されるキャラクターたちの中に組み込んだのだなぁ、としみじみ感じちゃいます。


徹底深掘り!「シャーロット・ブラウン」に関するFAQ
まとめ 失敗は成功の母「シャーロット・ブラウン」はルーシーの原型かも?
シャーロット・ブラウンは、作者チャールズ・M・シュルツがキャラクターの黄金比を模索する過程で生まれた、非常に重要な「実験的キャラクター」でした。
改めて幻のキャラクター「シャーロット・ブラウン」を振り返ってみると、彼女の存在がいかに現在の『ピーナッツ』のバランスを整えるのに貢献したかが分かります。
彼女の強烈な個性はルーシーに受け継がれ、その退場劇はシュルツの作家としてのユーモアと読者との対話の歴史を物語っています。
私たちが今日楽しんでいる『ピーナッツ』の完成された世界観は、シャーロット・ブラウンのような「忘れられたキャラクター」たちの試行錯誤の上に成り立っているのです。
もし、あなたが次に『ピーナッツ』のコミックを開くことがあれば、ガミガミ怒鳴るルーシーの背後に、わずか10回で姿を消したあの「巻き毛の女の子」の面影を探してみてください。
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